落ちていた寿司(スタイリスト私物)

洋服の事がほとんど。 Opinions are my own.

接客業はAIに取って代われないというのは本当か

今日、グッチでリングを見ていた。

店員さんが話しかけてきて「それ、三代目の○○さんも着けてるんですよ〜」と。


なんなんだその接客文句は、、、。


別に三代目J soul brothersが嫌いとかいうことでは一切ない。(別に好きでもないが)

店員の接客トークに非常に失望したというか、そんなことを言うために店頭に立ってるのかあなたは、と言う気持ちになった。


こちらは昨今ネットでも見れるものをわざわざ店頭にまできて眺めている。客の立場でこんなことを言うのは正直驕り高ぶっているとは思うが、そういった客が知りたいことはそういうことではない。


ましてやグッチの様なラグジュアリーブランドの販売員が顧客相手ではないにしても、来た客がそういうモチベーションで店に来ているという前提のもと前略の様なトークを展開しているとすれば、非常にレベルの低い接客じゃないだろうか。彼のコミュニケーション能力が若干変わったベクトルを向いてるだけなのか。


自分にはバイトながらセレクトショップで販売員をしていた経験がある。東北地方の小さなセレクトショップで、グッチの様なラグジュアリーな店ではなかったが、接客するにあたってなぜオンラインでも買えるものをわざわざ店頭に足を運んで見にくるのか、そういう人たちに対して自分が店員としてすべき事は何なのか考えることは必要だと思っていたし、そういう教育を受けた様に記憶している。

自分が客だったら店員にその程度のことは理解してほしいと感じているから。


いまファッションが全体的に下火にある現状で、販売員の教育が行き届いていないという議論はよくある とはいえ、トップメゾンの販売員があれでは、と流石に疑問を抱えてしまった、、、小うるさい客だ。こういう客は今をときめくグッチの様な17年度第一四半期で驚異の売り上げ前年比150%を達成するブランドでは門前払いなのだろうか。

(https://www.wwdjapan.com/412015)


ただ、こういうBtoCの末端問題は経営的な視点で言えば問題追及ををすれば経営組織の責任問題であるとか、業界全体の現状に根を求めることになってしまう。しかしその悪循環の存在を前提として分かった上で各社ができることって存在するのであって、事実上そういうことを徹底できてる店もあるとは思うのだ。少なくとも自分が働いたセレクトショップは個人的にはそういった配慮が行き届いていた様に思う。バイトではあったが、接客のことに関してはかなり厳しく指導を受けたし、店やブランドによってもちろん客層だや環境も変わってくると思うが売上のノルマも与えてもらって、社員と混じって順位づけもある程度にはシビアだった。


無論、販売は人の手によるものなので、接客の質に個人差が出るのは仕方がないことだと理解している。けれどもああいう接客をされたことは国内のファッション業界の下火感を感じられずにはいられなくて悲しくなった。

デザイナーがどんな服を作っているかとか、日本のトレンドがどう動いているかとか、ただそういうマクロレベルの問題のみによって日本のファッションが活力を失っているのではないと再度考えた出来事だった。そういう末端の問題の解決につなげるためにも上流問題の改善は早急に行われるべきなのは全くの正論だが。

例えば接客の質について言えば、金融業界の様に人工知能やテクノロジーによって削減・解決して品質を担保できる問題ではない(と信じている)から余計に難しい。


偉そうなことばかり呟いて、何か解決策があるわけでもない自分も何だか情けない気持ちになる。洋服は楽しいのになあ。